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ハモリパートの作り方5つのパターン|初心者向け解説

音楽理論

楽曲制作やボーカルアレンジをしていると、「ハモリをつけたいけど、どんな作り方があるの?」と悩むことはありませんか?

ハモリパートは、主旋律に深みや厚みを加える重要な要素です。しかし、やみくもに音を重ねても効果的なハモリにはなりません。実は、ハモリにはいくつかの基本的なパターンがあり、それぞれ異なる効果を生み出します。

この記事では、音楽制作やボーカルアレンジに携わる方に向けて、ハモリパートの主要な5つのパターンを詳しく解説します。各パターンの特徴と効果を理解することで、楽曲に合った最適なハモリを作れるようになるでしょう。

ハモリパートの主要な5つのパターン

1. 並行ハモリ(Parallel Harmony)

並行ハモリは、最も一般的で分かりやすいハモリパターンです。主旋律と一定の音程を保ちながら並行して動くため、初心者でも取り入れやすい手法といえます。

3度上/下のハモリ

メロディラインに対して、常に3度(または6度)の音程を保って並行するパターンです。温かく、なじみやすい響きになるため、ポップスやバラードで最も頻繁に使われます。自然で心地よいハーモニーを作りたいときに最適です。

4度/5度のハモリ

3度に比べるとやや硬質で力強い響きになります。特に完全4度は少し不安定にも聞こえるため、緊張感を出したい場面で効果的です。一方、完全5度は非常に安定した響きを持ち、宗教音楽やロック、フォークなど幅広いジャンルで使われます。

オクターブ上/下

メロディと完全に同じ動きをしますが、音域が違うため厳密にはハモリというより「ユニゾン」に近い手法です。ボーカルの厚みや迫力を増したいとき、特にサビなどの盛り上がる部分でよく使われます。

2. 対向ハモリ(Contrary Motion Harmony)

対向ハモリは、主旋律とハモリパートが逆の動きをするパターンです。

例えば、主旋律が上がるときにハモリパートは下がり、主旋律が下がるときにハモリパートは上がります。この動きによって、旋律線が独立して聞こえ、楽曲に立体感や奥行きが生まれます。

クラシック音楽の対位法に由来する手法で、洗練された印象を与えたいときや、二つのメロディが対話しているような効果を演出したいときに有効です。

3. 保続ハモリ(Sustained Harmony / Pedal Point)

保続ハモリは、主旋律が動いている間も、ハモリパートは一つの音(または同じ和音)を長く保ち続けるパターンです。

この手法の効果は非常に独特で、主旋律の動きを際立たせつつ、土台として安定感や緊張感を与えることができます。使用する音によっては、浮遊感や幻想的な雰囲気を生み出すこともできます。

アンビエントやドリームポップなどの雰囲気重視のジャンルでよく使われ、楽曲に深みと個性を加える効果があります。

4. オブリガート的なハモリ(Obbligato Harmony)

オブリガート的なハモリは、ハモリというより主旋律の合間に別のメロディのように差し込まれるパターンです。

主旋律を邪魔しないように独立した動きをしながら、曲の隙間を埋めたり、対話しているような効果を生み出します。いわば「掛け合い」のようなイメージです。

R&Bやゴスペル、ソウルミュージックなどで、フェイクやアドリブとしてよく使われます。熟練したボーカリストが即興的に入れることも多く、楽曲に表情と躍動感を与える高度なテクニックです。

5. ドローン(Drone)

ドローンは、保続ハモリと似ていますが、多くの場合、曲全体を通して特定の低音(主に主音や属音)が鳴り続けるものを指します。

主旋律の土台として特定の音を持続的に鳴らすことで、曲に重厚感や独特なムードを生み出します。インド音楽やスコットランドのバグパイプなど、民族音楽でよく見られる手法です。

現代のエレクトロニック・ミュージックやアンビエント・ミュージックでも、シンセサイザーを使ったドローンが多用されています。

ハモリパターンの組み合わせ方

実際の楽曲制作では、これらのパターンを一つだけ使うのではなく、複数を組み合わせて使うことがほとんどです。

例えば、以下のような構成が考えられます。

  • Aメロ:3度上の並行ハモリでシンプルに
  • Bメロ:保続ハモリで緊張感を演出
  • サビ:オクターブ上を加えて厚みと迫力を出す
  • アウトロ:オブリガート的なハモリで締める

このように、楽曲の展開に合わせてハモリパターンを変えることで、聴き手を飽きさせない構成を作ることができます。

まとめ

ハモリパートには主に5つの基本パターンがあります。

  1. 並行ハモリ:最も一般的で自然な響き
  2. 対向ハモリ:立体感と奥行きを演出
  3. 保続ハモリ:主旋律を際立たせる土台
  4. オブリガート的なハモリ:掛け合いのような表現
  5. ドローン:重厚感と独特なムードを創出

それぞれの特徴と効果を理解し、楽曲のジャンルや雰囲気に合わせて使い分けることが、魅力的なハモリを作る鍵です。

まずは3度上の並行ハモリから始めて、徐々に他のパターンも試してみてください。実際に音を出して耳で確認しながら、自分の楽曲に最適なハモリパターンを見つけていきましょう。

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