「ギターを始めたいけど、種類が多すぎて何を選べばいいか分からない…」
そんな悩みを抱えている初心者の方は多いのではないでしょうか。楽器店に足を運んでも、壁一面に並ぶギターたちを前に途方に暮れてしまうかもしれません。
このガイドでは、あなたの音楽ライフをスタートさせる最初の1本を見つけるためのポイントを、基本から丁寧に解説します。完璧な選択をしようと悩みすぎる必要はありません。まずは「好き」と思える1本から始めましょう。

ギター選びで最も大切なこと
ギター選びで一番大切なのは、「見た目が好きかどうか」、そして「弾いていて楽しいか」です。
もちろん、音質や機能、弾きやすさも重要な要素です。しかし、ギターを始める最初のモチベーションは技術的なスペックではなく、「憧れのギタリストと同じモデルが欲しい」「このギター、かっこいい!」といった、心が惹かれる気持ちから生まれるものです。
毎日練習を続けるためには、楽器を手に取るたびにワクワクする気持ちが何より重要。見た目に愛着が持てないギターでは、モチベーションを維持するのが困難になってしまいます。
代表的な3つのギターモデル
エレキギターには数多くの種類がありますが、まずは以下の3つの代表的なモデルを覚えておきましょう。多くの有名ギタリストがこれらのモデルを使用しており、初心者にも扱いやすい特徴を持っています。
① ストラトキャスター(Stratocaster)

特徴:流線型の美しいボディライン、3つのシングルコイルピックアップ、5wayピックアップセレクターが特徴的です。
サウンド:まさにオールラウンダー。透明感のあるクリーンサウンドから、少し歪ませた歯切れの良いクランチサウンドまで、幅広い音作りが可能です。どんなジャンルにも対応できる汎用性の高さが魅力です。
おすすめの人:
- 特定のジャンルに絞らず、色々な音楽を試したい方
- カッティングや透明感のあるサウンドが好きな方
- 迷ったらとりあえずこれ、という安心感が欲しい方
② レスポール(Les Paul)

特徴:重量感のあるマホガニーボディ、力強いハムバッカーピックアップが2基搭載されています。
サウンド:太くパワフルなサウンドが持ち味。深く歪ませたときの重厚なサウンドが得意で、豊かなサスティーン(音の伸び)も魅力の一つです。ギターソロでの表現力は抜群です。
おすすめの人:
- ハードロックやメタルなど、歪んだサウンドで弾きたい方
- 骨太で力強いギターソロを弾きたい方
- 重厚感のある見た目が好みの方
③ テレキャスター(Telecaster)

特徴:シンプルで無骨なデザイン、独特なリアピックアップの「アッシュトレイ」が印象的です。
サウンド:歯切れが良く、特にリアピックアップの「ジャキジャキ」とした切れ味鋭いサウンドは、カッティングに最適です。シンプルながら個性的な音色を持っています。
おすすめの人:
- ファンクやカントリーなど、カッティングを多用するジャンルを弾きたい方
- シンプルで個性的なサウンドが好きな方
- クラシックなルックスに魅力を感じる方
ジャンル別おすすめギター
ギターとジャンルには密接な関係があります。上記の3つ以外にも、特定のジャンルで人気の高いモデルをご紹介します。
SG:レスポールより軽量で取り回しが良く、ロックンロールやハードロックに向いています。
ジャズマスター/ジャガー:独特のオフセットボディと個性的なサウンドで、オルタナティブロックやシューゲイザーシーンで愛用されています。
セミアコースティック:中空構造による温かみのあるサウンドで、ジャズやブルースに最適です。
主要ギターメーカーとブランド展開
エレキギターのメーカーには、それぞれ異なる歴史や特徴があります。また、ほとんどのメーカーが最高級ラインから初心者向けまで、幅広い価格帯のブランドを展開しています。
価格帯別主要ギターメーカーのブランド一覧
メーカー名 | ¥100万円以上 (最高級) | ¥15万円〜100万円未満 (上級) | ¥5万円〜15万円未満 (中級) | ¥5万円未満 (入門) |
Fender | Custom Shop | American Professional, American Vintage | Fender Japan, Fender Mexico | Squier (Affinity, Bulletなど) |
Gibson | Custom Shop | Gibson USA (Standard, Classicなど) | Epiphone (上位モデル) | Epiphone (Special VEなど) |
PRS | Private Stock | Core, Wood Library | S2 Series, SE Series (上位) | SE Series (入門モデル) |
Ibanez | J. Custom | Prestige (日本製) | Premium (インドネシア製など) | Gio (GIO Ibanez) |
ESP | ESP (カスタムオーダー) | ESP (日本製レギュラー) | EDWARDS, LTD (上位) | GrassRoots, LTD (入門) |
Jackson | Custom Shop | USA Select Series | Pro Series | JS Series |
※金額はおおよその目安です。

最終的な選び方のポイント
1. 憧れから始める
お気に入りのギタリストと同じモデルを選ぶのは、モチベーション維持に非常に効果的です。「あの人と同じギターだ」という気持ちが、練習への意欲を高めてくれます。
2. ジャンルとのマッチング
挑戦したいジャンルに合わせて選ぶのも一つの方法です。ハードロックならレスポール、ファンクならテレキャスなど、ギターの個性とジャンルの相性を考慮してみましょう。
3. 見た目の重要性
毎日手に取りたくなるような、見た目が気に入ったギターを選びましょう。色、形、全体的な雰囲気など、直感的に「かっこいい」と思えることが大切です。
4. 実際に触れてみる
可能な限り楽器店でギターを抱え、ネックの感触や重さ、ボディの大きさを確かめることをおすすめします。体格との相性も重要な要素です。
まとめ
ギター選びは、これから始まる音楽の旅のスタートラインです。完璧な1本を見つけようと悩みすぎるのではなく、まずは「好き」「弾いてみたい」と思える1本を手にして、ギターを弾く楽しさを体験してください。
最初の1本で音楽人生が決まるわけではありません。上達するにつれて新しいギターが欲しくなるのは自然なことです。今は、あなたがワクワクするギターを選んで、音楽の世界への第一歩を踏み出しましょう。

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