DTM(デスクトップミュージック)で高品質な作品を制作するためには、ヘッドホンだけでなく、モニタースピーカーが不可欠です。モニタースピーカーに求められることは、正確に確認をするため、原音を忠実に再生する「高い再現能力」「フラットな周波数特性」 です。
一般的なオーディオスピーカーが音を「楽しむ」ためのものなのに対し、モニタースピーカーは音を「分析する」ためのツールです。ミックスやマスタリングを正確に行うための「羅針盤」として、音楽制作の品質を大きく左右します。
今回は、DTMクリエイター向けに、予算別に厳選したおすすめのモニタースピーカーをご紹介します。
エントリー価格帯(ペア4万円程度)の定番モデル3選
YAMAHA / HS5
DTMの世界では知らない人がいないほど有名なモデル。とにかく音がクリア!という評価の通り、プロの現場でも使われる「フラット」な音質が特徴です。ミックスやマスタリングの基礎を学ぶのに最適で、長年にわたって多くのクリエイターに愛用されています。
5インチウーファーと1インチドームツイーターの2ウェイ構成により、バランスの取れた音域再生を実現。音の脚色が少なく、楽曲の問題点を発見しやすいのが大きなメリットです。
JBL / 305P MkII
独自の技術により、この価格帯とは思えないほど広いリスニングエリアと、正確な音像定位を実現。圧倒的にコスパがいいと評価される人気モデルです。音の広がりや奥行きを重視する方におすすめです。
JBL独自のImage Control Waveguideにより、広いスイートスポットを確保し、少し位置がずれても安定した音質で聴くことができます。
IK Multimedia / iLoud Micro Monitor
驚くほどコンパクトながら、パワフルで正確な低音を再生。デスク上の限られたスペースでも、本格的なモニタリング環境を構築したい方に最適な選択肢です。
3インチウーファーという小型サイズながら、DSP技術により低域の再現性を大幅に向上。狭いホームスタジオでも本格的なモニタリングを可能にします。
ミドルクラス(ペア10万円程度)の高品質モデル3選
ADAM Audio / T5V
ウーファーに50W、ツィーターに20WのクラスDパワーアンプを搭載した高性能モデル。独自の「U-ARTツイーター」による、クリアで解像度の高い高域が最大の魅力です。プロフェッショナル・グレードなサウンドを手の届く価格で実現しています。
リボンツイーターによる高い解像度と正確な音像定位により、ボーカルや楽器の細かなニュアンスまで正確に再現します。
ADAM Audio / T7V
T5Vの上位モデルで、7インチウーファーを搭載。豊かな低域も再生でき、ミックスの精度を一段と高めてくれます。より大きな音量でも歪みが少なく、長時間の作業でも疲れにくい特性を持っています。
Focal / Alpha 50 EVO
パンチの効いた低域と、クリアな中高域を両立。特にEDMやロックなど、迫力のあるサウンドを制作する方におすすめです。Focalの技術力が凝縮された、コストパフォーマンスに優れたモデルです。
ハイエンドクラス(上限なし)のプロ仕様モデル3選
GENELEC / 8030C
プロの現場で絶大な信頼を誇るモニタースピーカー。非常にフラットで正確な音質は、どのような音量でもバランスが崩れず、細部まで正確に聞き取ることが可能です。
フィンランドの音響技術の粋を集めた設計により、極めて正確な音響特性を実現。世界中のレコーディングスタジオで採用される理由がここにあります。
ADAM Audio / S2V
独自のDSP技術により、圧倒的な解像度と正確な低域を実現。一音一音のニュアンスを正確に把握したい方、音の立体感を追求する方におすすめです。
Focal / ST TRIO 6
フランスで製造され、Focalの最高の技術の恩恵を受けるST6は、最も要求の厳しい音響プロフェッショナルを対象としています。パンチの効いた低域と、クリアな中高域を両立する3ウェイモニターです。特にEDMやロックなど、迫力のあるサウンドを制作する方におすすめです。
ST6シリーズのキャビネットは、厚みのある堅牢な素材を使用し、これまで以上に高い剛性とダンピングを実現し、振動や歪みを抑えた設計になっており、Focalの技術力が凝縮された、プロフェッショナル仕様のモデルです。
あなたのDTMスタイルに合ったスピーカーを見つけよう
モニタースピーカー選びで最も重要なのは、あなたの制作環境と予算に最適なモデルを見つけることです。今回のリストを参考に、あなたの音楽制作のスタイル、そして予算に合った最適なモニタースピーカーを見つけて、さらなるクオリティアップを目指してください。
可能であれば、実際に楽器店で試聴してみることをおすすめします。同じ楽曲を異なるスピーカーで聴き比べることで、それぞれの特性を理解し、あなたの求める音に最も近いモデルを見つけることができるでしょう。
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