すいちゃんは~今日もかわいい~~でお馴染みのすいちゃんこと星街すいせい。
今回はすいちゃんの楽曲「ビビデバ」を分析してみた。
概要
2024年3月23日に配信開始された人気Vtuberの星街すいせいの楽曲「ビビデバ」。
MVは映画の撮影現場のようで、アニメと実写が巧妙に融合した映像が特徴的で、圧倒的な歌唱力と作中のサビのダンスが印象的だ。
「ビビデバ」というタイトルはシンデレラに登場する夢を叶える魔法の呪文「ビビデバビデブー」から引用されている。
歌詞の内容もシンデレラになぞらえているようだが、元のストーリーのシンデレラよりも少し現代的でヤンチャさが見受けられる。
2024年8月7日にCD発売が決まっている。
音楽的分析
歌はラップ調で歌唱のリズムが心地よい。
曲調はジャズ・シティポップ・ダンスミュージックが融合したような自由な音楽で、元のシンデレラのようなクラシックなお姫様とは違ったイメージを表現している。
時計・時間の表現
「ビビデバ」では、時間や時計に関する表現が多く取り入れられている。
bpmが120となっており、1拍1秒のbpmが60なので2拍で1秒。
つまり時計の秒針を意識したテンポ設定になっている。
これはシンデレラに因んだ「12時で魔法が溶ける」という設定にかけているのだろう。
音源に時報の音が使われており、Aメロではオールナイトニッポンのテーマ曲「ビタースウィート・サンバ」を彷彿とさせるようなブラスサウンドが聞こえてくる。
四つ打ちドラムに16ビートのチキチキという音を加えてグルーヴ感を出しているが、この音も時計の歯車が忙しなく動いている音をイメージさせる。
日本語のスキャット化
「シャバダバ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
これはスキャットと呼ばれるジャズなどで使われる意味のない言葉で即興的に歌唱する手法である。
「おしゃまな馬車」という歌詞が「シャバダバ」に聞こえるなど歌詞に意味を持たせながら日本語をスキャットのように使っている。
サザンオールスターズやマキシマムザホルモンなどが使っている手法の英語に聞こえるような日本語の歌詞に似ている。
歌詞中の「ビビデバビデブー」もスキャットのように使われているがこれは元のシンデレラの作品の中の造語で「夢を叶える魔法の言葉」ではあるが言葉自体に意味はないというのがまたスキャットのようで面白い。
スキャットが「自由に歌う歌唱法」と捉えるとこの楽曲のテーマが見えてくるだろう。
効果音の活用
楽器という枠に囚われず、様々な音を活用しているところにも自由を感じる。
効果音を積極的に使って昔のアニメのオープニングを彷彿とさせるような表現がされている。
ガラスの割れるような音や時報の音が使われている。
まとめ
分析内容を総括すると「限られた時間の中で自由に生きていこう」というのがメインのテーマになっていると読み解ける。
しがらみだらけの現代社会には「夢を叶える魔法の呪文」が必要なのかもしれない。
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